
近年、SNSやインテリア誌でも人気を集めている「和モダン」なインテリア。
「賃貸アパートだけど、ホテルのような落ち着く和モダンの部屋にしたい」
「でも、うちは普通の洋室だし、賃貸だからリフォームもできない……」
そんな風に諦めていませんか?
確かに、ネットで見かける美しい和モダンの事例には、畳や障子、格子、無垢材の床など、リフォームや設計段階から作り込まれた空間も少なくありません。
日本の一般的な賃貸マンションや6畳・1Kの部屋では、そのまま再現するのは難しいと感じてしまいますよね。
しかし、リフォームができない賃貸でも、和モダンな空間を作ることは十分にできます。
そのときにヒントになるのが、北欧のシンプルな機能美と日本の美意識を組み合わせた「ジャパンディ(Japandi)」という考え方です。
壁や床を大きく変えるのではなく、今ある白い壁を活かしながら、家具やファブリック、照明に少しずつ「和」の静けさを加えていく。
このアプローチなら、原状回復や狭さといった「賃貸ならではの制限」をクリアしながら、落ち着きのある和モダンインテリアを作ることができます。
ここから先は、日本の賃貸や6畳・1Kでも取り入れやすい、和モダンな部屋づくりのコツを詳しくご紹介します。
「そもそもジャパンディってどんなスタイルなの?」という基本や、和モダンとの違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事を先にチェックしてみてください。
👉 ジャパンディ(Japandi)とは?和モダンとの違いや特徴、配色のポイントを徹底解説
賃貸で和モダンを目指すなら「ジャパンディ」がひとつの近道
「和風の落ち着きを取り入れたい」と思ったときに、よく目にするのが「和モダン」と「ジャパンディ」という言葉です。
似ているようで少し違う両者ですが、日本の狭い賃貸で再現しようとしたときには、ジャパンディの考え方が大きなヒントになります。
本格的な和モダン空間を作ろうとすると、畳や障子、格子、砂壁風の壁など、建物そのものに「和」の要素を取り入れたくなります。
しかし、賃貸では壁紙や建具を自由に変えることは簡単ではありませんよね。
ジャパンディは、シンプルな北欧インテリアをベースにしながら、木、和紙、ラタン、陶器などの自然素材や、日本的な「余白」の感覚を加えていくスタイルです。
「部屋そのものを和室に変える」
のではなく、
「今ある洋室に、和の静けさを重ねる」
という考え方です。
これなら一般的な白い壁の賃貸マンションでも、大掛かりなリフォームをせずに取り入れることができます。
賃貸で和モダンなインテリアを目指すなら、ジャパンディというアプローチを取り入れるのが、ひとつの現実的な近道になります。
日本の賃貸に和モダン&ジャパンディが合う4つの理由
では、なぜ和モダンやジャパンディは、日本の賃貸住宅と相性がいいのでしょうか。
日本の住宅特有の「悩み」と合わせて見ていきましょう。
①「ロースタイル」だから、狭い空間や賃貸でも広く見える
日本の住宅は海外に比べて天井が低く、部屋もコンパクトになりがちです。
特に6畳や1Kでは、大きな家具を置くだけで圧迫感が出てしまいます。
和モダンやジャパンディでは、座卓やローソファ、ローベッドなど、背の低い家具を主役にします。
家具の高さを抑えると目線が下がり、壁の見える面積が増えます。
これにより、天井までの余白が強調され、6畳や8畳の部屋でも開放感を出しやすくなります。
🔍HOW IS STYLE? 編集者の声
実は筆者の自宅も、よくある一般的な賃貸マンションです。
以前は白い壁に囲まれた普通の洋室だったのですが、どうしても「和の落ち着き」が欲しくて、思い切って床に「置き畳」を敷き、無印良品のローベッドを配置してみました。
洋室の白い壁が、和の素材感(い草)を引き立てる絶妙な背景(余白)となり、まるで京都のモダンなカプセルホテルのような特別な空間に一変したんです!大がかりなリフォームをしなくても、家具の高さと素材を「和」に寄せるだけで、賃貸の部屋は劇的に生まれ変わります。
また、日本の賃貸で多くの人が頭を悩ませるのが「茶色い床(ダークブラウンの床)」ではないでしょうか。
「濃い床でも和モダンやジャパンディな部屋にできるの?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、濃い床色も家具やラグの合わせ方次第で、むしろ落ち着きのある空間のベースになります。
家具選びの法則や具体的な色合わせについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉 茶色い床でもジャパンディは叶う!北欧家具をセンスよく合わせる4つの法則
② むしろ「和室(畳)のある賃貸」こそ、大チャンス!
「家賃が安いから和室付きの物件を選んだけど、おばあちゃん家みたいで垢抜けない……」
そう和室をマイナスに捉える必要はありません。
和室の畳や障子は、和モダンなインテリアを作るうえで、最初から用意されている自然素材でもあります。
畳の上に脚の低いローソファやウッドローベッドを置き、シンプルなオーク材のチェストを合わせる。窓辺にはリネンのカーテンや、すっきりとしたウッドブラインドを取り入れる。
これだけでも、昔ながらの和室に現代的な軽さが加わります。
ポイントは、さらに「和」を足しすぎないことです。
すでに畳や障子という強い和の要素があるため、家具は北欧的なシンプルなデザインを選ぶ。
そうすることで、昔ながらの和室が重たくなりすぎず、現代的な和モダンやジャパンディの空間へと近づいていきます。
③ 無印良品などの「日本の定番家具」と合わせやすい
和モダンな部屋にするために、高価な家具を一から買い揃える必要はありません。
和モダンやジャパンディのベースになるのは、木製の家具や自然素材です。
私たちが普段使い慣れている無印良品のオーク材やウォールナット材の家具。
実家から持ってきた少し古い木製のチェスト。
シンプルな木製のサイドテーブル。
こうした家具も、周囲の色数を抑え、リネンやラタン、陶器などの自然素材を少し加えるだけで、空間に馴染ませることができます。
すべてを買い替えるのではなく、今ある家具を活かしながら少しずつ整えていく。
この考え方も、引っ越しの可能性がある賃貸暮らしには向いています。
④ モノを減らす「引き算の美学」で狭い部屋に余白が生まれる
和モダンやジャパンディでは、装飾を増やすよりも、モノを厳選して空間に余白を残すことを大切にします。
6畳や1Kの部屋では、収納を増やそうとして家具を置きすぎてしまうことがあります。
しかし、家具を増やせば増やすほど、部屋は狭く見えてしまいます。
お気に入りの場所に、お気に入りの雑貨をひとつだけ置く。
棚の上にも少し何も置かない場所を残す。
床が見えるスペースをつくる。
こうした小さな「余白」があるだけで、部屋全体がすっきりと見えるようになります。
結果的に掃除や整頓もしやすくなり、限られたスペースでも心地よく暮らしやすくなるのです。
賃貸で和モダンなインテリアを作る3つのコツ
ここからは、今ある賃貸の部屋を活かしながら、和モダンやジャパンディの空気感を取り入れるためのコーディネートのポイントを見ていきましょう。
ベースは「アースカラー」、引き締めに「ダークトーン」
部屋の大部分を占めるカーテンやラグは、ベージュ、アイボリー、ライトグレーなどの穏やかな色で統一します。
そこに日本らしい静けさを加えるため、クッションや照明のフレーム、アートの額縁などに、ほんの少し黒やダークブラウンを取り入れてみてください。
淡い色だけでまとめると、部屋全体がぼんやりしてしまうことがあります。
そこに細い黒や濃い木の色を加えることで、空間の輪郭がグッと引き締まります。
ただし、和モダンだからといって、部屋全体をダークブラウンで統一する必要はありません。
特に6畳や1Kでは、濃い色を使いすぎると圧迫感が出やすいため、明るい色をベースにしながら、部分的に濃い色を使うのがおすすめです。

「自然素材」を家具やファブリックで取り入れる
賃貸では、床を無垢材に変えたり、壁を漆喰にしたりすることは簡単ではありません。
肌に触れる家具やファブリックの素材を意識してみてください。
北欧的な要素なら、オーク材、ウール、リネン。
和の要素なら、ラタン、竹、陶器、和紙。
こうした自然素材を少しずつ組み合わせていきます。

🔍HOW IS STYLE? 編集者の声
「壁紙を変えられない」「釘を打てない」という制約の多い賃貸。
だからこそ筆者が大切だと思うのは、肌に触れる家具やテクスチャーの質です。
賃貸の白い壁に、ラタンのチェアや、ざらっとした陶器の一輪挿しを置いてみる。
自然素材の不均一な凹凸が光と影を捉えるだけで、何の特徴もないと思っていた部屋に少しずつ奥行きが生まれてきます。
内装を変えられないなら、空間の「表面」ではなく、そこに置くものの「質感」を変えてみる。
これは、賃貸で和モダンな空間を作るうえで、とても有効な方法だと思います。
「枝もの」を一輪挿しにする
和モダンやジャパンディの空間には、植物もよく似合います。
ただし、カラフルな花をたくさん飾るより、ドウダンツツジやユーカリなどの枝ものを、シンプルなフラワーベースに1〜2本だけ挿してみてください。
それだけでも、静かな空間の中に自然の気配が生まれます。
陶器の花瓶と一本の枝。
それだけなら場所も取りませんし、引っ越しの多い賃貸暮らしにも取り入れやすい方法です。
季節によって枝や植物を変えれば、家具を買い替えなくても部屋の表情を少しずつ変えることができます。

賃貸でも手軽に和モダンを取り入れられるアイテム
まずは小さな模様替えから始めたい方は、部屋全体を変えようとせず、ひとつのアイテムから取り入れてみるのがおすすめです。
和紙やファブリックを使った照明
日本の提灯を思わせる丸いシェードや、和紙、ファブリックを使った照明は、和モダンと北欧インテリアのどちらにも馴染みやすいアイテムです。
ひとつ取り入れるだけでも、夜の部屋の雰囲気が大きく変わります。
💡 賃貸照明のワンポイントアドバイス
賃貸マンションに最初から付いていることの多い、丸型のシーリングライト。
もちろん実用的には便利ですが、夜の部屋を落ち着いた和モダンな雰囲気にしたいなら、それだけに頼らないのがおすすめです。
天井の照明を少し暗くしたり消したりして、コンセント式のフロアライトやテーブルランプを加えてみる。
工事不要の照明なら、原状回復を気にする必要もなく、引っ越し先にも持っていくことができます。
部屋の中に小さな「光の溜まり場」を作ることで、木やリネン、陶器の素材感が美しく浮かび上がります。
詳しい照明の配置や一室多灯の方法はこちらで紹介しています。
👉 【ジャパンディの照明】天井の電気は消そう。和モダンを引き立てる「一室多灯」と影の残し方
ロースタイルの木製サイドテーブル
ベッドサイドやソファの横に、低めのシンプルな木製テーブルを配置します。
大きな家具を増やさなくても、その上に陶器のフラワーベースや小さな照明を置くだけで、部屋の一角に静かな景色を作ることができます。
特に6畳や1Kでは、家具を増やしすぎないことも重要です。
暮らしの中心になる家具を少しずつ選びたい方はこちらも参考にしてみてください。
👉 一人暮らしの家具選びで後悔しない!賃貸・6畳を心地よくする3つの名作家具
陶器や素焼きのフラワーベース
大きな家具を買わなくても、自然素材の小物をひとつ置くだけで部屋の印象は変わります。
最近は手頃な価格でも、ざらざらとした土の質感を感じられるフラワーベースが見つかります。
まずは小さな陶器に一本の枝を飾る。
そんなところから、和モダンな部屋づくりを始めてみてもいいでしょう。
床の印象を変えたいなら「ラグ」を活用する
賃貸では床材を自由に張り替えることは難しいですが、ラグなら簡単に床の見える面積を調整できます。
特に、濃い茶色の床を少し明るく見せたい場合には、アイボリーやベージュ、ライトグレーなどのラグを取り入れる方法があります。
ただし、床全体を完全に隠す必要はありません。
今ある床の色も空間の一部として活かしながら、ラグでバランスを調整する。
そのほうが自然な印象に仕上がります。
6畳に適したサイズや、和モダン・ジャパンディに合う素材の選び方はこちらで詳しく解説しています。
👉 ジャパンディのラグ選び|色・素材・サイズで失敗しない5つのルール
賃貸の和モダンインテリアは「今ある部屋」を活かすことから
賃貸で和モダンな部屋を作るために、畳を敷き詰めたり、障子を設置したり、壁を大きくリフォームしたりする必要はありません。
家具を少し低くする。
白い壁に何も置かない場所をつくる。
ラグで床の見える面積を調整する。
木やリネン、ラタン、陶器などの自然素材をひとつ取り入れる。
夜はシーリングライトだけではなく、小さなランプを灯してみる。
そんな小さな工夫を積み重ねることで、何の特徴もないと思っていた賃貸の洋室にも、少しずつ和モダンの静かな空気を取り入れることができます。
高級な家具がなくても、部屋が広くなくても、そして賃貸であっても大丈夫です。
むしろ、できることが限られているからこそ、
「本当に必要なものは何か」
「何を置かないか」
を考えることになる。
その「引き算」の考え方は、和モダンにも、ジャパンディにも通じています。
和モダンな部屋を作りたいからといって、「和風のもの」をたくさん買う必要はありません。
今ある部屋を活かしながら、自分にとって心地よいものを少しずつ選ぶ。
その先に、自分らしい和モダンインテリアが生まれていくのだと思います。
賃貸の限られたスペースでは、ソファのサイズ選びが部屋全体の印象を大きく左右します。
すでに「ソファが大きすぎた」と感じている場合は、買い替える前に試したい対処法をこちらの記事で紹介しています。
👉ソファが大きすぎたらどうする?後悔したときの対処法と失敗しないサイズ選び



